2月に東京で行われた表彰式の前日、ホテルの最上階から見たライトアップされた東京タワーの美しさは格別で、私の受賞を祝福してくれているようでした。 「中野さん、東京決まりましたよ」と、先生より知らせを受けた時は耳を疑いました。そして筑女生となって、一番嬉しく感じた瞬間でした。大好きな重松清さんの作品『送り火』の感想を書き、受賞できたということは、本の中にたくさんの新しい世界を垣間見させてくださった作家の方へ、小さなお礼ができたのではないかと思いました。 どんな小さな文庫本でさえも、全く知らない世界を、手のひらの中で物語ってもらえることは、本当に意義のあることだと思います。 毎日新聞社の方からいただいた、重松清さんの表彰式欠席を知らせる直筆の葉書は、ガラスの写真立てに納まり、私の机の上で、光輝いています。 最後にとても大切なこと。それは筑紫女学園という環境があって生まれた感想文であったということです。ご指導いただいた久光先生、いろいろな本を薦めてくれる良き友達に感謝しています。
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