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昨年8月、映画『サウンド・オブ・ミュージック』の舞台として有名なオーストリア・ザルツブルグから10kmほど先のドイツ南端の湯治場、バートライヘンハルにて第15回ヨーロッパ真宗会議が開催されました。浄土真宗本願寺派、大谷光照前門様の全面的なお力添えのもと開催の運びとなり、2年に一度のその開催は、ヨーロッパで親鸞聖人の教えを学び伝える各地の代表者にとって重要な交流の場でもあり、また、帰敬式のおかみそりをいただける貴重な機会でもあります。大谷光淳新門様のご臨席も6回を数え、「世のなか安穏なれ」のテーマのもとに約60名の参加者が集いました。
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会議では、イギリスからの参加者とドイツからの参加者から、「第二次世界大戦で、それぞれの父親が兵士として戦い合った者の子どもたちが、こうして同じ念仏者として『世のなか安穏なれ』と心から願えることに感謝する」との言葉が聞かれました。主催者であり、当地に「信堂」というお寺を10年前に、十数名の仲間たちとともに建立したトーマス・モーザー氏が最後に「心の安心が何より求められなければならないこと。世界の情勢が悪化すれば、その犠牲となるのは自分たちの子どもかもしれない。そのためにも、平和という高い理想、現実の争いに対する非戦や非暴力の視点を持ち、一つひとつの争いを止めていきましょう」としめくくられました。
少子・高齢化が進み、小学生の8割以上が核家族の中で育つという現実があります。その中で「世のなか安穏なれ」との願いはどのように伝えられていくべきでしょうか。次の世代への思いを伝えていくことの大切さを考えさせられたことでした。 |
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