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筑女&九博

本学では、九州国立博物館といかに連携・強力していくかを模索するために、昨年11月7日、京都橘大学の木下達文准教授を招いて「博物館と地域連携-ミュージアムの未来像を求めて」というタイトルで講演会を行いました

ミュージアムに社会問題の解決を期待

 講師の木下先生は、博物館学、展示学の研究を専門にされています。日本の博物館は、数の上では世界有数の大国になっていますが、博物館そのものを対象としている研究者はあまりいません。その点、先生は博物館を専門に研究されている数少ない研究者の一人であり、ミュージアムと地域の連携を説き、自ら奔走されている活動的な方でもあります。先生に講演を依頼したのは、本学と九博の将来についてお互いに考え、連携を深めていきたいという思いからです。
 当日の講演では、映像を使って、活動例が報告されました。とりわけ、昨年の夏、地震の被害に見舞われた新潟県柏崎市で開催された「かしわざきキッズミュージアム」は大変興味深いものでした。その内容は、被災地の子どもたちを支援しようと全国から集まってきたボランティアが、小学生と一緒に勾玉づくりや皿の絵付けなどを行い、作品づくりに熱中できるひと時を過ごしてもらおうというもので、作品が完成したあとのお互いの笑顔が印象的でした。 先生はこの映像をとおして、これからのミュージアムが、サポーターやボランティアとともに新しい使命や役割を担い、社会問題の解決につながることへの期待を述べられました。今回の講演会に参加した学生もまた、違った角度からミュージアムを考えることができたようです。


つながりたい意識が大切

 さらに講演後、先生を囲んで、本学の教職員だけでなく、九博の学芸員や地元のボランティアを交えて、大学と博物館の連携についての研究会を行いました。そのなかで、木下先生は両者の“つながりたい意識”が大切であること、連携を実現させるためにはコーディネーターが必要なこと、さらに大学と博物館のつながりから地域振興へと向かうのが望ましいことを提言していただきました。
 研究会は活発に意見が交わされ、所定の時間をオーバーしましたが、先生からは、こういった会が開かれたことだけでも画期的だと評していただきました。先生の提言をどう受け止め、それをいかに次へと生かしていくかが、本学のこれからの課題と言えるでしょう。






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