
5月のある日、リュックサックにお弁当とお茶、そしてお菓子を一つ入れて、小さな旅に出発しました。目的地は市立動物園の横にある南公園緑地。中央区では知る人ぞ知るスポットです。
車道からちょっとだけ入り込むと、そこはもう緑地の入口。土や枯葉、そして緑の混ざった森の匂いが一気に漂ってきます。アスファルトの道から土の道へと変わったとたん、子どもたちの足取りは急に早まります。森ではじめて出会う起伏。道なき道。子どもたちはもうただ「キャッキャッ」と動き回ります。木の枝を握り、根っこを足場に上へ上へ登って行きます。散歩道として少しだけ整備された道以外は、あるがままの雑木林。がけを登ったり降りたり滑ったり、散歩道を探検したりと、子どもたちの動きは止まりません。動物園が見える場所もあり、「動物を見ている人」を見るというのもまたおもしろいものです。
あれこれ森をめぐったあとはお弁当。屋外で食べるお弁当は、また格別です。森の匂いや空気を体いっぱいに感じ取って小さな旅は終わります。
このように幼稚園では、季節を体感しに、子どもたちの足で行ける旬の場所を探して園外に出かけています。何よりも目で、体で、心で自然を感じ取ることが本当の経験と考えています。 |