今月のことば

2017年のことば

2017.03

 中央広場の鶯宿梅(おうしゅくばい)の花に、春の訪れを感じる季節となりました。今月11日で東日本大震災から丸6年が経ちます。東日本大震災以降、日本各地で多くの地震による災害が起こり、最近では、東北の被災地の報道もほとんど取り上げられることはなく、私たちにとって東日本大震災は既に過去の出来事としてどこか忘れ去られた感じがしてなりません。しかし、東北の被災地では、今もなお12万人の方が避難生活(2017年1月16日現在:12万6943人、復興庁発表)をされています。その中には、仮設住宅での生活を余儀なくされている方もおられることを忘れてはいけませんし、震災で犠牲となられた方々の想いや教訓を活かしていかなければならないと思います。

 さて、3月はよく別れの季節と言われます。高校は卒業式、中学は修了式とそれぞれに区切りとなる大きな行事があり、また各学年においても1年間を締めくくる大切な月となります。卒業生にとっては3年間、ないし6年間というかけがえのない時間を過ごした友人や先生との別れ、在校生にとっても生涯において二度とない時間を過ごしたクラスを去るとき、皆さんの心にどのような思いが浮かんでくるでしょうか。今の“自分”自身を振り返ってみる時、少なからず授業や部活など、クラスの仲間と過ごし共に学んできたものが積み重なって“自分”自身を成長させてくれているのではないでしょうか。また、それは学校に限らず“自分”に関わる多くの方々との関わりの中で、今の“自分”となっているとも言えるでしょう。そのように考えてみる時、ただ単にクラスの仲間との「さようなら」の別れのことばだけではなく、自然と心から「ありがとう」の感謝のことばがあふれてくるのではないでしょうか。

 お釈迦さまは、「愚かな人は感謝を知らない。」(『増支部経典』)と仰いました。自分を過信し、すべて自分の力でやったように考える人は感謝するという思いがないという意味で、大変厳しいことばを述べられています。今月のことばの「さようなら」から「ありがとう」の心を考えてみると、今の“自分”が“自分”独りの力ではなく、周りの様々な方々のご縁に支えられて今日を迎えることができたという“お陰様”という感謝の気持ちを語られた言葉といえるのではないでしょうか。さらに、「感謝の心が人を育て、感謝の心が自分を磨く」とも言われます。「ありがとう」の「感謝」の心は、受けた恩に対するお礼とだけ受け止めるのではなく、受けた恩をこれからの生活に活かしてくことが大切であり、それは、まさに校訓の「感恩」に通じる心です。それぞれの学年を終えるにあたって、改めて今月のことばの心を考えてみましょう。

 

(文責:宗教科)