今月のことば

2020年のことば

2020.07

   つくしは地下茎を通して他のつくしやスギナとつながり合う多年生の植物です。今月のことばは、私たち人間も見えないところで繋がりあい、支え合う存在であることを表しています。

   2004年に、ノーベル平和賞を受賞したケニアの環境副大臣、ワンガリ・マータイさんが来日されました。その際、「日本には“reduce”(ゴミを削減する)“reuse”(再利用する)“recycle”(再資源化する)という概念をあらわす言葉はあるか」とたずねられ、当時の総理大臣は、日本には『もったいない』という言葉があり、その概念や文化について伝えたところ、マータイさんは強い関心を示したそうです。その後、2005年に、ニューヨークの国連本部でスピーチを行い、『MOTTAINAI』という言葉とその概念を世界に向けて発信しました。今では『MOTTAINAI』は世界中に広まり、ついには世界共通語になりました。

    その「もったいない」とは「勿体ない」という字を使います。「勿」は「ぶつ」という読み方もあり、もともと「物の本質がない」ことをあらわしていました。「ものの本質がない」とは「この世のすべての物事はすべて繋がって存在しており、独立して存在しているものはない」ということです。例えば、お米に目を向けてみると、作り手、運び手、売り手、雨などの自然の恵みなど、多くのものや思いが繋がりあって、私たちはお米を口にすることができるのです。目に見える形だけのものではなく、様々な思いや苦労がそこにあり、その繋がりの中にある本当の姿を知ることで自然と頭が下がり、相手への感謝の念と尊敬の念が生まれるのです。それが『MOTTAINAI』ということです。

    今『MOTTAINAI』とその精神はSDGsにも大きな貢献を果たしており、この言葉を通じて世界の人々とつながりあい、ともに世界を良い方向へ変えようとしています。私たち一人ひとりができることには限りがありますが、たくさんの人とのつながりをへることで、より大きなこともできるようになります。今、コロナ禍で世界はまだまだ大変な状況下にあります。そんな時だからこそ、安心して暮らしていくことができるように、私たちにできることを考え、行動に移していきましょう。

文責:宗教科