今月のことば

2016年のことば

2016.12

 拠り所とは「あて・たより」の事で、心の支えとなるものの事をさします。浄土真宗大谷派の清沢満之という方の言葉に「我々の精神が常に変動するものにたよっていると我々も変動する。我々の精神が全く変動しないものを拠り所とするなら、我々の精神は変動しない」とあります。私たちが日頃心の支えにしているものは何かを考えてみると、お金や学力、健康や経験、夢や希望等が考えられるでしょう。しかし、これらは環境や状況によっていつまでもあて・たよりとなるものではなく、いつどうなるかわからないものではないでしょうか。それでは、今月のことばにある永遠に変わることのない拠り所として示される南無阿弥陀仏(念仏)の生活とはどういうことでしょうか。

 念仏には、「いつも見守っているよ」という呼び声と、「ありがとう」という感謝の意味があります。なぜ「ありがとう」の意味があるのでしょうか。阿弥陀仏は”無量光仏”とも表現され、限りない光の仏様と言われます。ものに光をあてるとどうなりますか。影ができますよね。仏様の智慧の光に照らされることで、私たちの影、すなわち欲や怒りや自己中心的な心といった煩悩に支配された自分の姿に気づかされます。そして自分の煩悩に気づかされた時、その心や行いを改めようという思いも起こり、その気づきをさせて頂いたことに感謝する意味で「ありがとう」なのです。

 つまり、南無阿弥陀仏の生活は、煩悩に惑わされ、自己中心的で欲や怒りに支配された自分が、お互いに支え合い助け合ってしか生きることのできない自分であることに気づかされ、いつも「ありがとう」「おかげさま」の心をいただいて生活することであると教えてくれています。

(文責:宗教科)