No.7
2021.10.01

子どもの頃からの夢を叶え、
小学校の教員になり、故郷へ。
学校を子どもたちの最高の居場所に。

Profile 黒石 朋子 さん
別府市立大平山小学校
筑紫女学園大学 人間科学部|2016年卒業
01筑女に入学したきっかけを教えてください。
高校の先生が、私が「教員になりたい」という夢を持っていることを知っていて勧めてくれたんです。パンフレットやホームページを見て両親と相談しながらきれいな校舎を見ているうちに「ここに行きたい」という気持ちが強くなりました。初めて実家を出て県外で暮らすことに不安もありましたが、太宰府は自然豊かで落ち着いた雰囲気だったので安心できました。
02教員になる夢はいつから抱いていたのですか。

両親も教員で、家の中で仕事の話を楽しそうにする両親を見ていて、小学生の頃から「いつかは先生になりたい」と思っていました。もちろん、時折大変そうな印象もありましたが、いつも笑いながら子どもたちの成長について話していて、やりがいがありそうだなと思えたからです。それから私自身、小中高と学校が大好きで楽しくて仕方ありませんでした。「いつか先生になれたら、子どもたちにも学校を楽しいと思える場所にしたい」という思いがありました。

03大学時代、特に印象に残っていることはありますか。
2年次までは大学の寮で暮らしたのですが、これが私にとっての青春でした!違う学部の子と2人部屋で、毎日のように夜遅くまでいろんな部屋に遊びに行っては友人といろんな話をしました。誰かの誕生日にはサプライズパーティーをしたり、休日にみんなでピザを頼んだりしたのも良い思い出です。2年次には寮長をさせてもらいましたが、ここで今につながる責任感や全体を見て行動する力が養われて自立できたように思います。
04同じ目標を持つ仲間と切磋琢磨できたんですね。

はい、寮では違う学部の子たちとも交流しましたが、同じ学部の子とはテスト前に一緒に勉強したり、採用試験前に模擬授業や面接の練習をしたり、一人ではできない学び方ができたのもありがたいなと感じていました。教員採用試験に挑む道のりは時に険しいものなので励まし合いながら一緒にがんばれる仲間がいるというのはとても心強かったです。

05そして、夢を叶えて卒業後は先生になられたんですね。
そうです。卒業してすぐは福岡県久留米市で4年間教員をして、地元の大分県の教員採用試験を受けて合格し、大分の小学校に赴任して2年目、今は1年生の担任を持ちながら、教員としての生活は6年目となります。
062度も教員採用試験に合格されたんですね。

1度目は、同じ学科の仲間と同じ目標を目指してとても心強い環境で勉強をすることができました。ついついめげそうになったり、心折れそうになったりしても、横でがんばっている仲間を見ることで励まされて、また立ち上がることもありました。しかし、2度目の試験は孤独な戦いでしたね(笑)。大分県の教員採用試験は3次までありますが、3年の教員経験があったため1次は免除でした。ただ模擬授業や面接はとても厳しかったので、大学時代に戻ったような気持ちで猛勉強して臨みました!

07お仕事のやりがいや大変な点をお聞かせください。
よく言われることですが、教員はやることが多く、人手不足なので、毎日忙しくて体力的にはヘトヘトになる時もありますが、とにかく子どもたちの成長を見るのが本当に楽しみです。毎日長い時間一緒にいて、日々目まぐるしく変化していくので、そうした変化を見逃さないようにしっかり向き合えるのが喜びです。
08普段お仕事で意識していらっしゃることを教えてください。

筑女時代の教育実習中や1年目は、「とにかく関わりが大事だ」と聞いていたので、「1日一言は全員と言葉を交わすこと」を意識していました。最近では、話しかけるだけじゃなく、ちょっと元気がない子がいたら、その子が興味を持てそうな話題を振ったり、その子のお友達も交えて、話しやすい雰囲気を作れるように努めています。私が昔、学校を大好きだと思えたように、子どもたちにとっても学校が心ほどける場所になればいいなと心がけています。経験を重ねて、少しずつ余裕が持てるようになり、広い視野でクラス全体、学年全体を見られるようになってきました。今はとにかく少しのことでも見逃さず、「手の挙げ方が元気だね!」「給食の食器のしまい方が上手だね」と褒めてあげられるポイントを探して過ごしています。声かけ一つでも子どもたちの声や表情が大きく変わることや、成長を実感できることもあるので大きなやりがいを感じています。

09卒業して感じる筑女の魅力はありますか。
とにかく周りの友人が真面目でがんばり屋さんが多かったんです。寝る間も惜しんで勉強したり、夢に向かって努力を惜しまない人たちがたくさんいて、一緒にがんばろうと思えました。みんな優しくて、嫌な人に会った覚えがないぐらい(笑)。大学では、ゼミの先生や採用試験のサポートに関して、本当に手厚く見ていただいて、他の大学ではここまでしっかりケアしていただけないんじゃないかと思います。実践的な授業も多く、今にそのまま役立っています。また、仏教の授業があり、寮では朝礼拝もあったので、仏教の教えに触れる機会もたくさんいただきました。毎回良いお話を聞けたのは、今振り返るととても貴重だったなと感じています。道を誤らない考え方や人間性を育てていただきました。私が学んだことは子どもたちにも少しずつ伝えていきたいと思っています。
10母校や後輩にメッセージをお願いします。

今の私があるのは、筑女の先生方や友人のおかげだと心から感謝しています。小学校の頃から抱き続けた、「先生になりたい」という夢を貫いて叶えられたのは、筑女の細やかなご指導があったからです。これからも素敵な教員をたくさん送り出してほしいと思います。

11黒石さんの今後の夢を聞かせてください。
教員になって、故郷である大分にも帰ってこられて、私の夢はおかげさまで叶えることができました。次は、子どもたちにとって学校が楽しいと思える場所になるよう、一人一人に合った関わり方をしていきたいです。「難しい勉強も学校でやるなら楽しいから行こう」と思えるような環境づくりを意識して、すべての子どもたちにとって最高の居場所にできればいいですね。