今春の大学入試は「現行課程」最後の入試で、しかも「次年度からはセンター試験においてリスニングが導入される」という、現役生にとってはまさに『後がない入試』になりました。
国公立大では現役占有率が回復
国公立大学には合計で133名(対前年1名減、以下同様)が合格しました。ここ5年間の合格者数平均は136名と、安定した数字を残しています。また合格者に占める現役生の割合はここ3年間71%→68%→78%と推移しており、今年は昨年を大きく上回りました。
地区別で見ると、国立大学では九州地区が減少(12名)したのに対し、中国・四国地区(4名)と関東地区(5名)で増加しました。最近続いていた地元中心の傾向が少し変化し、他地区に進学する生徒も少しずつ増えてきました。ただ公立大では県内の4大学だけで公立全体の81%を占め、こちらは地元中心の傾向に変化はないようです。
私立大学では地元大への合格者が減少
毎年卒業生の数が異なるので単純比較はできませんが、私立大学には977名(26名増)が合格しました。ただ、福岡大(23名減)、西南大(37名減)と地元大への合格者が減少し、また両大学ともに現役合格率がかなり下がりました。これには新課程入試を来年に控えた受験生心理が影響しているのかもしれません。
その他の特徴としては、国立大学同様に関東地区など地元以外での合格者がここ数年増えているという点も上げられます。
また、公務員試験や就職に関しては相変わらず厳しい状況が続いており、早めの受験対策が必要です。また専門学校は、一般の専門学校(16名減)に比べて資格の取れる医療・看護系(7名増)の人気が依然続いています。
来春入試は「新教育課程入試」の初年度
来年度は新課程最初の入試となります。センター試験でのリスニング実施、一部医学部でのセンター試験理科3科目化、後期試験廃止大学の出現など、入試制度も大きく変化します。また薬学部6年制化の影響も無視できません。受験生は志望学校を早めに決定し、入試情報の収集にも注意を払ってほしいと思います。 |